活用提案・アイデア・ノウハウ

【沖縄全土横断計画】 フォトスポット×スタンプラリー

 

はじめに

沖縄本島の観光格差を是正する観光価値の創出は「回遊性」が鍵になる。

沖縄本島には、国内外から多くの観光客が訪れます。
那覇のまち歩き、北谷の海沿いスポット、恩納村のリゾート、北部の自然や美ら海水族館など、魅力的な観光資源が島全体に点在しています。

一方で、その“点在している”という特徴は、観光における大きな課題にもつながります。

多くの旅行者はレンタカーで移動しますが、
「どこをどう回ればいいかわからない」
「特に有名なエリアだけで旅程が完結してしまう」
という状況が起こりやすく、観光が特定エリアに集中する傾向があります。

その結果、

・人気エリアは混雑しやすい

・一方で、魅力があるのに訪問されにくい地域が生まれる

・観光消費が偏り、地域間で経済効果に差が生まれる

といった“地域間のバランス”が課題となることがあります。

沖縄本島南部の自然スポットや、東海岸の静かなエリア、北部の小さな集落、
文化や歴史を感じられるスポットなど、
「行けば魅力を感じる場所」は数多く存在しているにも関わらず、
導線の分かりづらさや情報不足によって見過ごされてしまうケースも多いのです。

ここで必要になるのが、
“観光客が自然といろんな地域へ足を運ぶ仕組み=回遊性の向上”。

回遊性が高まれば、

・滞在時間が伸びる

・地元商店・飲食店に新たな来訪が生まれる

・混雑の分散につながる

・地域ごとの魅力が発見されやすくなる

といったメリットが期待できます。

その具体的な方法としておすすめしたいのが
デジタルスタンプラリーとフォトスポット整備を組み合わせた広域施策 です。

観光客が「スタンプを集めたい」「写真を撮りたい」という自然な動機を活かし、
まだ訪れたことのない地域へ誘導することができます。

沖縄本島の広い範囲をつなぎ、観光価値をより高めていくために、
“回遊性をデザインする取り組み” は大きな役割を果たすと言えます。

 

1.沖縄観光事業の現状

沖縄は国内でも有数の観光地であり、美しい海、豊かな自然、歴史文化、リゾート施設など、多様な魅力によって多くの観光客が訪れています。

観光は県経済を支える重要な産業であり、宿泊、飲食、小売、アクティビティなど幅広い分野に大きな影響を与えています。

 

一方で、観光地が本島全域に点在していることから、沖縄の観光事業には以下のような“構造的な特徴と課題”が存在します。

 

①観光が特定エリアに集中しやすい

那覇・国際通り、北谷、恩納村、そして美ら海水族館周辺など、

アクセスしやすい“知名度の高いエリア”に観光客が集中しやすい傾向があります。

 

一方で、南城市、東海岸、北部山間部、古い集落や小規模観光地などは、

魅力があるにもかかわらず訪問が少ない状況が生まれがちです。

 

→ 地域間で観光消費に差が出ることが、沖縄全体の課題のひとつになっています。

 

②レンタカー移動が中心で、導線がわかりにくい

沖縄旅行はレンタカー利用が多く、観光客自身がルートを自由に選ぶことができる一方で、

 

・どこを回ればいいかわかりにくい

・つい有名スポットだけで旅程が終わる

・小さな観光地は“気づかれずに通過”される

といった状況が起きやすくなっています。

→ 観光スポットが広範囲に散らばる沖縄ならではの課題です。

 

③SNS発信は強いが、地域ごとで“映える場所”の整備に差がある

SNSによる発信力は沖縄観光の強みですが、

フォトスポットや撮影に適したデザインが整っている地域と、

そうでない地域の差が大きいため、

結果として“写真目的の観光が特定エリアに集中”する傾向が生まれています。

→ 若年層向けの観光地ほど、「写真を撮りたい場所」があるかどうかが来訪理由になります。

 

④周遊性が低いと、滞在時間が伸びず、地域経済に影響する

観光客の行動範囲が狭いと、

 

・飲食店の利用が偏る

・商店街に人が流れない

・アクティビティや体験の利用機会が減る

・地域の魅力が発見されにくい

など、観光地の成長機会を逃してしまうことになります。

 

観光振興では、

「周遊性を高めて、地域間の来訪者を増やすこと」 が重要なテーマとなっています。

 

2.沖縄県の現状まとめ

沖縄観光は那覇・国際通り、北谷、恩納村、美ら海水族館周辺など、知名度とアクセス性の高いエリアに観光客が集中しやすい一方、南城市や東海岸、北部山間部など、魅力がありながら訪問が少ない地域も多く、観光消費の地域間格差が課題となっています。

また、レンタカー移動が中心のため観光ルートが可視化されにくく、有名スポットだけで旅程が完結しやすい構造も特徴です。SNS発信力は高いものの、フォトスポット整備の差により「写真目的の観光」が特定エリアに偏りやすく、結果として周遊性が低下しています。こうした状況から、滞在時間の伸び悩みや地域経済への波及不足が生じており、沖縄観光では“回遊性を高め、来訪者を分散させる仕組みづくり”が重要なテーマとなっています。

 

3.観光客のツボに刺すには

観光客が「行きたい」「撮りたい」「回りたい」と感じるには、
“感情が動くポイント=ツボ” を押さえた仕掛けが必要です。
特に沖縄旅行では、次の2つが大きな影響力を持っています。

① “写真に残したくなるかどうか” が来訪動機を大きく左右する

今の観光行動は、写真を撮ることが楽しみの一部になっています。
特に沖縄では、

・青い海・空

・南国植物

・琉球文化のモチーフ

・開放的なロケーション

といった“フォトジェニックな要素”が多く、
「写真映え=訪問理由」になるケースが非常に多い のが特徴です。

そのため、フォトスポットは単なる装飾ではなく、
観光客を動かす“入口の仕掛け” になります。

 

② “体験した感情” がSNS投稿を後押しする

SNSで共有したくなるのは、
単に景色が良いだけではなく、
「ここでしかできない体験」を感じたときです。

たとえば…

・特別感のあるフォトフレーム

・地域性が出るオリジナルデザイン

・観光スポットごとにテーマが違う演出

これらは旅行者の感情を動かし、
「みんなに見せたい」という投稿行動につながります。

SNS投稿が増えるほど、
二次的な集客(=他の旅行者の来訪動機) が生まれるため、
地域全体にとって大きなプラスとなります。

 

4.【フォトスポット】×【スタンプラリー】の施策提案

沖縄本島全体の回遊性を高め、各地域への来訪を増やすためには、
「行きたくなる理由(フォトスポット)」
「巡りたくなる理由(スタンプラリー)」
を同時に設計することが重要です。

本施策では、沖縄各地の観光スポットに「写真映えするフォトスポット」を設置し、
それらを巡る「デジタルスタンプラリー」を導入することで、
観光客の移動を自然に促す仕組みをつくります。

沖縄横断と聞くと、移動時間が気になるところですが、一般財団法人沖縄観光コンベンションビューローの調査によると、沖縄県を訪れる観光客の平均滞在日数は「3.6日」と横断するにも無理のない旅行が楽しめると思います。

一般財団法人沖縄観光コンベンションビューロー「沖縄リピーター層に関する調査(令和5年度) 」より引用)

 

① 沖縄本島全域を“テーマ別ルート”でつなぐ

スタンプラリーは、単にスポットを並べるのではなく、
テーマ性を持たせることで参加率が大幅に向上します。

例(一般的に可能な内容)

・絶景ルート:岬・展望台・海沿いスポット

・文化・歴史ルート:城跡・旧跡・伝統工芸スポット

・癒しルート:自然公園・ビーチ・森の散策スポット

・ファミリールート:体験施設・動植物スポット

・王道ルート:青の洞窟・美ら海水族館など

テーマが明確だと、観光客の属性によって対応ができ、旅行者は「どのルートを回ろうか」と主体的に選びやすくなります。

 

② 各スポットに“写真を撮りたくなるフォトスポット”を設

フォトスポットは、スタンプラリーの「訪問動機」を生む最重要要素です。

沖縄らしさを取り入れた以下のような構成が効果的です:

・海や空を背景にした大型バナー

・シーサーや琉球柄のフレーム

・家族やカップルで撮りやすいフォトパネル

・地域ごとにテーマが異なるデザイン(集めたくなる要因になる)

観光客が「ここで写真を撮りたい」と思える装飾をつくることで、
来訪のハードルが大きく下がります。

③ デジタルスタンプラリーで“巡りたくなる仕組み”をつくる

デジタル方式は参加が手軽で、旅行者のストレスがありません。

 

一般的に可能な仕組み

・QRコードを読み取るだけでスタンプ獲得

・GPSで地点付近に近づくだけで自動付与

・専用アプリ不要のブラウザ型も導入可能

・達成度に応じて特典を提供(参加意欲UP)

これにより、観光客は「せっかくならもう1スポット行ってみよう」と自然に移動するようになります。

 

④ フォトスポット × スタンプラリーで生まれる“相乗効果”

この2つを組み合わせると、次のような動線が生まれます

1.写真を撮りたい → スポット訪問

2.スタンプを集めたい → さらに別のスポットへ移動

3.SNS投稿 → 次の観光客を誘発

4.回遊 → 地域へ新たな経済効果が生まれる

フォトスポット単体より、スタンプラリー単体より、
組み合わせた方が圧倒的に効果が高くなります。

 

⑤ 観光客を迷わせない“目印サイン”を併設する

回遊性を高めるには、動機だけでなく「視覚的な導線」も必要です。

・フォトスポットの近くに“のぼり旗”を設置(目印として効果大)

巻き上がらないのぼり旗

 

・わかりやすい案内サイン

・回遊ルートを示すバナー

・スタート地点のウェルカムゲート

ウェルカムゲートバナー

 

これらを配置することで、初めて訪れる旅行者でも迷わず移動できるようになります。

 

⑥ 回遊による波及効果を最大化する

本施策によって期待できる効果は以下のとおりです

・観光の分散化(特定エリアの混雑緩和)

・これまで訪問が少なかった地域への新規来訪

・滞在時間の増加

・飲食店、商店、アクティビティの利用拡大

・地域全体のブランド価値向上

観光客が「自然に」「楽しみながら」移動する仕組みのため、
長期的な観光振興にもつながります。

 

5.このまま使える!モデルルート紹介

今回はおすすめの【スタンプラリー】×【フォトスポット】の沖縄本島を横断するモデルルートをご紹介します!

沖縄の人気観光地をこの横断計画に採用すれば、経済循環、地域活性化が期待できること間違いなしです。

数あるルートの中でも、王道かつ満足度の高いルートです!

1.那覇空港

  ↓

2.ウミカジテラス

  ↓

3.平和祈念公園

  ↓

4.首里城公園

  ↓

5.アメリカンビレッジ

  ↓

6.青の洞窟

  ↓

7.万座毛

  ↓

8.美ら海水族館

  ↓

9.JANGLIA沖縄

  ↓

10.古宇利島

 

このルートだと、沖縄県内の中心部に観光客が集中する心配もなく、観光客の周遊性も向上させることができ、地域による観光消費の格差を是正することにつながります。また、スタンプラリー×フォトスポットによって、観光客の方々の思い出になること間違いなしです!

 

6.まとめ

本施策「沖縄全土横断計画|フォトスポット×スタンプラリー」は、沖縄本島にある観光資源の“点在”を強みに変え、観光客が自然と各地を巡る仕組みをつくる提案です。観光が特定エリアに集中しやすい現状に対し、写真を撮りたくなるフォトスポットで来訪動機を生み、デジタルスタンプラリーで「次の目的地」へ行く理由を連鎖させることで、回遊性の向上と滞在時間の増加を狙えます。結果として、これまで訪問が少なかった地域にも人の流れが生まれ、飲食・買い物・体験利用などの観光消費が広がり、地域間の観光格差是正と経済効果の波及が期待できます。

 

 

 

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