とりあえずのノベルティは無駄! 正しいノベルティの設計とは

はじめに
沖縄は観光客も地元客も多く、魅力的なお店や企業が次々に生まれています。一方で「SNSに載ったのに店名が覚えられていない」「一度来て終わりで、次につながらない」といった悩みも増えがちです。広告で“来てもらう”ことはできても、“思い出してもらう”ことは意外と難しい。ここが、沖縄の集客で差がつくポイントになります。
そこで注目したいのがノベルティです。ノベルティというと「配るもの」「おまけ」という印象が強いかもしれませんが、マーケティングの視点で見ると役割は別です。ノベルティは認知を取るための主役ではなく、来店・体験のあとに“記憶を手元に残す”ための仕組み。つまり、体験を日常に持ち帰ってもらい、想起(思い出す)→再訪→紹介へとつなげるための最後の一手になります。
本記事では、沖縄の店舗・企業がノベルティを作るべき理由を、マーケティングの全体像の中で整理しながら解説します。
目次
ノベルティが効果を発揮する具体的なシーン(沖縄の店舗・企業向け)
沖縄の店舗・企業が直面しているリアルな課題
沖縄は観光客の流入もあり、地元のお客様もいるため「人が来やすい」地域です。ただし、来店が多いことと、売上やファン化が伸びることは別問題。現場では次のような“つまずき”が起きやすく、結果として次につながりにくくなります。

1)観光客が「一度きり」で終わりやすい
旅行中は満足しても、帰宅した瞬間に日常へ戻ります。次の沖縄旅行では、また新しいお店を探す人も多く、「良かったのに、リピートされない」という状態が起きがちです。沖縄のように選択肢が多い場所ほど、体験が良くても“記憶の中で薄れていく”スピードが早くなります。
2)SNSに載っても「店名・企業名」が残らない
沖縄は写真映えする体験が多く、投稿される機会も多い一方で、投稿だけでは集客に直結しないことがあります。たとえば、写真に店名が写っていない、位置情報が入っていない、投稿が流れてしまって後から探せない。つまり「映える」は達成できても、「どこのお店か分かる」「思い出せる」に届かないケースが出ます。
3)満足しても「紹介・再訪」のきっかけが不足する
お客様が満足していても、紹介や口コミは自動では増えません。多くの場合は、話すきっかけがない/説明しづらい/店名を覚えていない、といった理由で“心の中で終わる”ことが起こります。結果として、良い体験なのに次の来店や紹介に変換されにくくなります。
4)差別化が伝わらず「選ばれる理由」が弱くなる
沖縄では似た価格帯・似た体験が並びやすく、比較されやすい環境です。商品やサービスに強みがあっても、それが一言で伝わらなかったり、印象が残らなかったりすると、「どこでも良さそう」に見えてしまいます。ここで必要になるのは、スペックではなく“覚えやすさ”や“語りやすさ”です。
沖縄では「体験+記憶」が勝ち筋になる
沖縄での集客やブランディングを考えるとき、重要なのは「何を提供するか」だけではありません。どれだけ強く記憶に残るかが、その後の再訪や紹介を大きく左右します。観光地である沖縄では、この傾向が特に顕著です。

沖縄を訪れる人は、限られた滞在時間の中で多くの体験をします。飲食、観光、買い物、自然、イベントなど、情報や思い出が一気に増える分、どんなに良い体験でも、時間が経つと他の記憶に埋もれてしまいがちです。満足度が高かったとしても、「どのお店だったか」「どんな名前だったか」が曖昧になることは珍しくありません。
そこで重要になるのが、「体験をどう記憶に残すか」という視点です。商品やサービスの質を高めるだけではなく、体験の余韻を日常まで持ち帰ってもらう設計が必要になります。写真やSNS投稿はその一つですが、それだけでは十分とは言えません。投稿は時間とともに流れ、見返されなくなるからです。
記憶に残る体験には、共通点があります。それは「体験のあとに、思い出すきっかけがあること」です。ふと目にしたときに沖縄での出来事を思い出す、誰かに話す場面が生まれる、そんな小さな接点が、記憶をつなぎとめます。製作費のみでその役目を果たしてくれるのがノベルティです。
沖縄では、非日常性の高い体験ほど感情が動きやすく、その分、記憶を定着させる余白があります。この余白を埋めるのが、「体験と記憶」という考え方です。体験そのものに加えて、記憶に残るフックを用意できるかどうか。ここが、沖縄で“次につながる店舗・企業”になれるかどうかの分かれ目になります。
マーケティング全体の中での「ノベルティ」の位置づけ
ノベルティは、マーケティング施策の中でも「集客の入口」を担うものではありません。広告やSNS発信のように“まず知ってもらう”役割よりも、来店・体験のあとに効く施策です。言い換えると、ノベルティは「売るための道具」というより、体験を記憶として残し、次の行動につなげるための装置に近い存在です。

マーケティングの流れをシンプルに整理すると、下記のようになります。
・認知:存在を知ってもらう(広告/SNS/看板など)
・興味、比較:行く理由が生まれる(口コミ/投稿/Web情報など)
・来店、来場:実際に足を運ぶ(導線/キャンペーンなど)
・体験:満足・納得が生まれる(商品/接客/空間づくり)
・想起:時間が経っても思い出す(記憶のフック)
・再訪、紹介:また行く/誰かに話す(リピート/口コミ)
この中でノベルティが最も力を発揮するのは、「体験 → 想起 → 再訪・紹介」の部分です。沖縄は観光地としての魅力が高い反面、選択肢が多く、滞在中に体験する情報量も多いため、帰った後に「どこが良かったか」が曖昧になりやすい傾向があります。写真やSNS投稿があっても、店名や企業名が記憶に残らず、再訪のきっかけにならないケースも少なくありません。
そこでノベルティが役立つのは、「体験の余韻を持ち帰らせる」ことです。たとえば、使うたびに店名が目に入る、手元に残って会話のきっかけになる、旅の思い出として捨てにくい。こうした性質は、広告では作りにくい“思い出す回数(接触回数)”を増やします。結果として、再訪や紹介、指名につながりやすくなります。
かの有名な心理学者のロバート・ザイアンスは特定の対象(人・モノ・音楽など)に繰り返し接するほど、親しみや好意を抱くようになるという「単純接触効果」を提唱しました(1968年)。これとノベルティを関連付けると、例えばボールペンを使う度に店舗や企業のロゴや名前を見る行為が必然的に印象をポジティブなものに変えているのです。それはリピートのきっかけになります。
重要なのは、ノベルティを単体で考えないことです。ノベルティは「配って終わり」だと効果が薄くなります。マーケティング上は、体験の最後に置く“次につなげる接点”として設計するのが本質です。
つまりノベルティの位置づけは、集客の主役ではなく、リピートの可能性を広げる最後の一手なのです。沖縄のように“体験が強い土地”では、この効果が現れやすいのです。
ノベルティは「配るため」ではなく“記憶を持ち帰らせるため”
ノベルティというと、「来店特典」「おまけ」「とりあえず配るもの」という印象を持たれがちです。ですが、マーケティングの視点で見ると、ノベルティの役割はもっとシンプルで、強力です。ノベルティは“体験の記憶を、日常に連れて帰るための道具”です。
沖縄での体験は、非日常だからこそ強く印象に残ります。ただし、帰宅後は仕事や学校、家事など日常に戻り、旅の記憶は少しずつ薄れていきます。写真やSNS投稿があっても、見返さなければ忘れていくのが自然です。そこでノベルティが機能します。手元に残り、目に入り、使われることで、体験が“もう一度思い出される”タイミングを作れます。

ポイントは、ノベルティが「広告の代わり」ではないことです。ノベルティは認知を取る主役ではなく、来店・体験のあとに効く“想起マシン”です。たとえば、日常で使う場面があるアイテムなら、使うたびに沖縄での体験がよみがえります。誰かに「それ何?」と聞かれれば、自然に会話が生まれ、店名や体験が伝わります。これが、紹介や口コミにつながる一番現実的なルートです。
また、ノベルティには「体験を言葉にしやすくする」効果もあります。旅先での感想は曖昧になりがちですが、手元に残るものがあると、「あのお店でこんなのもらった」「あの体験が良かった」という形で思い出が整理されます。結果として、体験が“記憶として定着”しやすくなります。
つまりノベルティは、配布物ではなく体験・想起の一部です。沖縄では特に、「体験価値は高いのに、次につながりにくい」という課題が起きやすいからこそ、ノベルティが効きます。目的は配ることではなく、忘れられない、必然的に目に入る状態を作ること。この前提でノベルティを設計すると、少量でも意味があり、広告費をかけすぎない施策として活きてきます。
ノベルティが効果を発揮する具体的なシーン(沖縄の店舗・企業向け)
ノベルティは、ただ用意すれば効果が出るものではありません。「いつ・どのタイミングで渡すか」によって、記憶への残り方が大きく変わります。沖縄の店舗・企業で特に効果が出やすいシーンを整理します。

1)来店・体験の「最後」に渡す
ノベルティは、来店直後よりも体験が終わったタイミングで渡す方が効果的です。満足感や感情が高まった状態で受け取ることで、「良い体験だった」という記憶と一緒にノベルティが結びつきます。会計時やチェックアウト時などが代表的なタイミングです。
2)イベント・限定企画の記念として
沖縄では、季節イベントや期間限定企画が多くあります。こうした場面でのノベルティは、「その時にしか体験できなかった」という特別感を強めます。特別感があるほど、持ち帰ったあとも捨てられにくく、記憶に残りやすくなります。
3)写真・SNSとセットになる場面
フォトスポットや体験型コンテンツと合わせてノベルティを用意すると、写真や動画と一緒に記憶が定着します。撮影 → 体験 → ノベルティ、という流れを作ることで、SNS投稿後も“手元に残る接点”が生まれます。
4)初来店・初利用のタイミング
初めて訪れたお客様は、その店舗・企業の印象がまだ固まっていません。ここでノベルティを渡すことで、「初めての体験」が強く記憶に残りやすくなります。結果として、次に沖縄を訪れたときの候補に入りやすくなります。
5)地元向けの感謝・継続利用の場面
ノベルティは観光客だけでなく、地元のお客様にも有効です。常連化を狙う場面で使うことで、「大切にされている」という感情が生まれ、関係性の維持につながります。地元向け施策と観光向け施策を分けて考えるのも一つの方法です。
失敗しないノベルティ設計(マーケの設計図として考える)
ノベルティで成果が出るかどうかは、「何を作るか」より先に、設計の順番で決まります。沖縄の店舗・企業でよくある失敗は、アイテム選びから入ってしまい、「配るだけで終わり」になってしまうこと。ここでは、ノベルティを“次につなげるマーケ施策”として成立させるための考え方を整理します。

1)まず「目的」を1つに絞る
ノベルティは万能ではありません。目的を広げるほど、刺さり方が薄くなります。最初は次のどれか1つに絞ると設計しやすいです。
・想起:帰ってから思い出してもらう
・再訪:次の来店理由を作る
・紹介:人に話すきっかけを作る
・指名:店名・ブランド名を覚えてもらう
沖縄向けの記事の流れでは、まずは「想起」か「紹介」に寄せると噛み合います。
2)ターゲットを“具体的な1人”まで落とす
「観光客向け」だけだと広すぎます。
・カップル旅行
・子連れファミリー
・女子旅
・出張ついでの1人客
・地元のリピーター
など、誰の記憶に残したいかを絞ると、アイテムも渡し方も絞れてきます。
3)「使われる頻度」で選ぶ(思い出す回数を増やす)
ノベルティの強さは、“配った数”より思い出される回数です。
だから基準はシンプルで、
・日常で使う(触れる回数が増える)
・目に入る(置いておける)
・人に見られる(会話が生まれる)
この3つのどれかを満たすものが強いです。
5)「店名が残る設計」にする(やりすぎない)
沖縄の課題で多いのが「店名が残らない」。ここはノベルティで補えます。
ただし、ロゴを大きく入れすぎると“広告感”が出て使われにくくなります。
おすすめの考え方は、
・表=世界観/裏=店名
・デザインは沖縄らしさ、情報は最小限
・外で使うのに派手すぎるデザインにしない
このバランスです。
6)「次の行動」までセットで用意する(渡して終わりにしない)
ノベルティは“記憶のフック”ですが、次の行動がなければ再訪にはつながりません。
だからノベルティは、できれば下記のどれかとセットで考えます。
・再訪の理由になる一言(例:次回特典の案内)
・情報の入口(例:公式SNS、予約、メニュー)
押しつけにならない形で“自然に導線がある”のが理想です。
ノベルティはアイテムだけでなく設計で戦いましょう。
まとめ
沖縄は、観光客も地元客も集まりやすい一方で、「来て終わり」「SNSに載っても店名が残らない」「満足したのに紹介や再訪につながらない」といった“次につなげる難しさ”が起きやすい地域です。だからこそ大切なのは、集客の入口を増やすこと以上に、体験のあとに思い出される仕組みを持つことです。
その役割を担えるのがノベルティです。ノベルティは認知を取るための主役ではなく、来店・体験の余韻を日常に持ち帰らせることで、想起(思い出す)→再訪→紹介を後押しする「最後の一手」。沖縄のように体験価値が高い土地では、この“記憶のフック”が特に効きやすくなります。
ただし、効果を出すには「何を作るか」よりも先に、設計の順番が重要です。目的を絞り、ターゲットを定め、渡すタイミングを決め、日常で使われる形に落とし込む。さらに店名が自然に残り、次の行動につながる導線までセットにする。こうして初めて、ノベルティは「配って終わり」ではなく、マーケティング施策として機能します。
まずは大きく始める必要はありません。少量でも、体験の最後に渡す設計を整えるだけで、記憶に残り方は変わります。沖縄で“また行きたい”“誰かに話したい”を増やすために、ノベルティを体験の一部として組み込むことから始めてみてください。
